怒りで頭の中がいっぱいになったら、ルーチンワークをする

 怒りや嫉妬が収まらないとき、無理に抑えようとするのは逆効果です。

 頭の中に怒りや嫉妬心が渦巻くときは、「首から上」と「首から下」を切り離すイメージをしてみてください。首から上、つまり「頭」は、感情の嵐が荒れるにまかせます。しかし首から下の「体」は、淡々と日常生活を送るのです。

 怒りで頭の中がいっぱいだったとしても、朝いつもの時間に起きて支度し、普通に食事をして、昨日と同じように仕事に出かける。あるいは、家事をする。体はいつもどおりの振る舞いを続けます。

 いったん波立った感情はしつこく居すわるので、こちらも粘り強さが必要です。しばらく意識して、行動し続けなければなりません。しかし、そうしていると決定的な事態になる前に、嵐のようだった感情は枯れていきます。実際にやっていただければわかりますが、これは非常に有効な手段です。

 この方法を「発見」したのも永平寺時代でした。永平寺にいれば、どんなに感情が揺れても朝3時から夜9時まで、日課がびっしり決まっています。坐禅、読経、作務(掃除や料理などの労働)、会議、事務仕事など、起きてから寝るまで、予定に従って速やかに進めなければなりません。

 上司や部下の振る舞いにイライラしていても、決められたことをやり続けるうちに、平常心が戻ってきます。そして、問題をフラットな状態で見られるようになるのです。

 人は頭で変わろうと考えて、変われるものではありません。もし変わるとすれば、生活パターンや行動パターンが変わったときです。

 自分の意志力や自制心だけで怒りをコントロールしようとすると失敗しますが、頭と体を切り離して日常生活を普通に送れば、見た目はふだんどおりに過ごせます。「普通の生活」には「人に当たること」も「感情を爆発させること」も入っていませんから。

 そうやって怒りをやり過ごしてみれば、頭の中で激しく渦巻いていた感情が、じつはさほど大したことではないとわかるでしょう。

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