かつて最強の守護神だったソフトバンクのサファテ

マルティネスの去就が球界の勢力図を変える

 日本ハムは他球団の選手から人気がある。昨オフ、オリックスからFA宣言した山崎福也が象徴的なケースだ。日本ハムに巨人ヤクルト、DeNA、ソフトバンク、慰留に努めたオリックスを含めて6球団の争奪戦になり、当初はセ・リーグ球団への移籍がささやかれていた。

「山崎は打撃もいいので、セ・リーグは二刀流でプレーできる。埼玉県出身なので在京球団の巨人、ヤクルト、DeNAへの移籍が有力視されていましたが、蓋を開けてみれば日本ハムだった。条件面では日本ハムより上の球団がありましたが、獲得に熱心な姿勢と交渉能力の高さが実を結びました。一昔前と違い、マネーゲームを望まずプレーする環境を重視する選手が増えています。マルティネスの場合は何を大切にするか。豊富な資金力のソフトバンクが必ずしも優位とは限りません」(スポーツ紙記者)

 抑えを務めた助っ人外国人投手で浮かぶのが、デニス・サファテだ。広島、西武でプレーした後、移籍したソフトバンクで全盛期を迎え、最多セーブのタイトルを3度獲得した。特に2017年にはNPB記録であるシーズン54セーブを記録、チームの日本一に貢献し、MVPにも選ばれた。

 マルティネスは28歳とここから脂が乗りきる時期に入る。中日残留を含め、来年はどのユニフォームを身にまとって9回のマウンドに登るのか。球界の勢力図を変える投手といっても、大げさではない。熟考の末の決断は――。

(今川秀悟)

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