DeNAが日本一に輝き、NPBの今年のシーズンは幕を閉じた。グラウンド上での戦いは終わったが、来季に向けて各球団は動き出している。契約期間が終わった選手を巡る争奪戦が注目される中、「最大の目玉」が中日のライデル・マルティネスだ。
【写真】中日の“気の毒な投手”といえばこの人 将来は移籍の可能性も?
「日本一のストッパーといって間違いないでしょう。直球の力強さ、変化球の質、制球力、故障をしない体の強さ…すべてを高いレベルで兼ね備えている。以前は走者を背負った場面で精神的な弱さを見せる時があったが、その課題も克服してピンチでも落ち着き払っている。マルティネスは今季で中日と3年契約が切れます。守護神が不安定な球団は多いので、複数の球団が獲得に乗り出すことは間違いない」(スポーツ紙デスク)
安定感がズバ抜けている。22、23年と防御率0点台を記録すると、今季も60試合登板で2勝3敗43セーブ7ホールド、防御率1.09をマーク。チームは球団史上初の3年連続最下位に沈んだが、マルティネスは自身2度目の最多セーブを受賞した。
井上監督は焼肉屋で「ライデルが必要不可欠だ」
中日は当然、慰留に全力を注ぐ。井上一樹・新監督は10月下旬に名古屋市内の焼肉屋でマルティネスと会食し、「勝つためには、ライデルの力が必要不可欠だ」と熱い思いを伝えたことが報じられた。ただ、残留交渉は不透明だ。キューバ選手の場合、キューバ政府が窓口となり、マルティネスの獲得を希望する球団とコンタクトを取る。マルティネスの希望がどこまで尊重されるか判断が難しい。
獲得に熱心と言われているのが、日本一に輝いたDeNAだ。今季は森原康平が守護神を務め、58試合登板で2勝6敗29セーブ11ホールド、防御率2.41をマーク。決して悪い数字ではなくチームへの貢献度が高い投手だが、負け数は少ないと言えない。DeNAの救援防御率2.81はリーグ5位。マルティネスの獲得に成功すれば、森原を8回に回せる。同じセ・リーグ球団なので、移籍後も違和感なくプレーできるだろう。
マネーゲームになれば、ソフトバンクが最も有利になる。昨オフに抑えのロベルト・オスナと4年総額40億円という大型契約を結んだが、今季は39試合登板で0勝3敗24セーブ5ホールド、防御率3.76。救援失敗するケースが目立ち、精彩を欠いた。マルティネスは同じキューバ人のモイネロと親交が深いことで知られる。加入すれば心強い存在になるだろう。