日本シリーズで優勝のマウンドに立っていたDeNAの森原

「日本ハムが参戦すれば一番怖い」

 中日、DeNA、ソフトバンク……この3球団による三つ巴の争奪戦になるとみられたが、もう1球団が参戦する可能性が球界でささやかれている。日本ハムだ。北海道のテレビ関係者はこう語る。

「2年連続最下位から2位に躍進し、チーム作りの完成度が高まっています。去就が注目された新庄監督も続投が決定しました。来季は本気で優勝を狙うシーズンになるが、シーズンで首位を独走し、13.5ゲームの大差をつけられたソフトバンクと比べるとまだまだ戦力差がある。その穴を少しでも埋めるために、最大の補強ポイントが救援陣です。マルティネスの獲得に動く可能性は考えられます」

 今年、日本ハムの抑えは田中正義が務めたが5月下旬に状態が上がらない時期が続き、一時はセットアッパーに配置転換された。その後も好不調の波があり、53試合登板で4勝4敗20セーブ12ホールド。セーブ数はリーグ6位で、“守護神”としては物足りない成績だった。

 田中が蓄積疲労の影響もあって8月上旬から約4週間登録抹消された時期に、代役で抑えに抜擢されたのが、プロ3年目右腕の柳川大晟だった。身長191センチの長身から最速157キロの直球、フォーク、カットボールを武器に6試合連続セーブと奮闘したが、心身に大きな負荷がかかったのだろう。9月に入ると痛打を浴びる場面が目立った。21試合登板で1勝3敗8セーブ1ホールド、防御率4.09。合格点をつけられるが、まだシーズンを通じて抑えを務められるだけの信頼を勝ち取ったわけではない。盤石な“守護神”がいないだけに、日本ハムにとっても実績十分のマルティネスは、最も欲しいピースと言えるだろう。

 ソフトバンクの関係者は警戒を強める。

「日本ハムが獲得レースに参戦となれば、一番怖いですね。外部から補強した選手が次々に活躍していますし、中日で一緒にプレーしたアリエル・マルティネスがいる。日本ハムの情報を耳にしたら、『このチームで野球をしたい』と心が動く可能性がある」

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資金力が豊富なソフトバンクが有利とは限らない