「米国でメジャー仕様の打撃フォーム、タイミングにチェンジした。再び日本仕様にアジャストするのに想像以上に時間がかかっている。打率の通りで、今季はスイング軌道と投球が合った時にしかコンタクトできなかったように見えた」(MLBアジア地区担当スカウト)

 7月5日には左肋骨疲労骨折の影響で出場選手登録抹消、ファン投票で選出されたオールスターの出場も辞退した。戦列復帰後も9月21日の試合後には体調不良を訴え、翌日の試合を欠場することもあった。

「無理をし過ぎて体と心の両方が疲労しきっているはず。責任感の塊のような男なので、納得できる打撃を取り戻そうと必死だった。早出を欠かさず試合後もバットを振っていた。焦って欲しくはないのですが……」(DeNA関係者)

 来シーズン以降に向けては心配要素も多い。それでもNPB通算11シーズンプレーして212本塁打を放った大砲。ここからの巻き返しも期待できるという声もある。

「米国でのバッティングの内容と結果を考えると不安も理解できるが、こればかりはやってみないとわからない。(筒香は)典型的なNPB向きの選手だとは思うので、これまで以上に活躍する可能性も秘めているとは思う。少なくともDeNA編成部はそういう判断でもあるはず」(MLBアジア地区担当スカウト)

 MLBで結果を残せなかった打者がNPB復帰後に苦しむケースはこれまでもあった。2012年オフ、30歳の時にメジャーへ移籍した中島宏之(西武→アスレチックス)も米国の3年間で結果を残せず、2015年にオリックスに加入。1年目は117試合で打率2割台中盤と期待通りの活躍は見せられなかった。だが、その後は3割近い打率をマークするシーズンも何度があり、42歳となった今季も現役としてプレーした。

「ネガティブな声があるのも知っているが、結果的にチームは日本シリーズ進出を果たした。成績以上に貢献度も高く、若手には良い手本になっている。復帰した年にCSで下剋上を果たした球団の一員になれるのも、やはり何かを持っている」(DeNA関係者)

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グラウンド内外の影響力で元は取れる?