うどんとプリンタルトで480円

 大学ではどのようなことが学べるのかという疑問と同じくらい高校生たちが気になっていること、それは大学での食事について。どんな学生食堂なのか?何のメニューがあるのか?値段は?味は?など気になることが多く出てくる。オープンキャンパスは、そんな高校生の疑問にも答えてくれる。

「模擬授業のほかに、食堂で先着順に無料でご飯を食べる体験をできたのでいいオープンキャンパスだなと思った」(甲南女子大学)

「学食はうどんとプリンタルトで480円という破格。食堂がいくつかある上にメニューが多く、グラムバイキングもあるため、ご飯好きの私は4年間飽きずに毎日違うメニューを楽しめそうだとワクワクした」(大阪教育大学)

480円という破格の値段の「うどんとプリンタルト」(大阪教育大学、撮影/小南佳澄)

 無料で食堂のご飯を食べられるプログラムは、学生たちが普段どのようなものを食べているのか気軽に体験できる。無料でなくとも、食堂でこの値段でこれだけ食べられるのかと身をもって知ることができるのは悪くない。

 おいしいものがあると、それだけでわくわくする。勉強の合間にほっと一息つける。高校生にとって、食堂の印象は大学を選ぶなかで重要な要素の一つとなっているに違いない。

保湿クリーム作り体験も

 オープンキャンパスでは模擬授業や無料の食堂体験以外にも、多くの体験型のイベントが行われている。

「体験型イベントに参加し、保湿クリームを作った。白衣も実際に着るので薬学生の気分を味わうことができ楽しかった。自分が調製した保湿クリームは持ち帰って使用することができた。初めはうまくできるか不安だったが、大学の先生がみんなのスピードに合わせて説明してくれたので簡単に作ることができた」(同志社女子大学薬学部)

 保湿クリームを作ることで、大学での学びが社会にどう役立っているのか体感できるプログラムになっている。近年は社会貢献に意欲のある高校生が増えている。オープンキャンパスの段階で卒業後の将来も想像できれば、大学への志望度がさらに上がりそうだ。

 少子高齢化が進む現在の日本社会。大学はより多くの高校性に興味を持ってもらおうとさまざまな取り組みを行っている。そのなかでもオープンキャンパスは、高校生と実際に顔を合わせることができる貴重な場だ。

 少しでも興味を持って来てくれた高校生に、どんな体験を提供できるのか。インターネットが発達している現代だからこそ、リアルな体験がより新鮮にダイレクトに心に届くのではないだろうか。今後の大学のオープンキャンパスの取り組みに目が離せない。

(文・構成=大石純平/取材協力=AERAサポーター高校生記者:青木瑞歩、小南佳澄、長谷川凛久、山下心暖/協力校:神戸龍谷高等学校、ルネサンス大阪高等学校)

※「AERAサポーター高校」プロジェクトは2022年に始まり、これまではAERA本誌や広告企画で紹介した進学や進路の情報を高校へ提供し、教員の皆さんとの情報交換を中心に活動してきました。今年度からサポーター高校の生徒たちにAERAの誌面作りなどにご参加いただく企画をスタートしました。お問い合わせはAERAサポーター高校事務局まで。adv@asahi.com

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