毎年夏に多くの高校生が参加する大学のオープンキャンパス。大学受験を控える高校生にとって、インターネットでは知り得ない大学の情報を知ることができる貴重な場だ。一方、大学にとっても高校生に興味を持ってもらえるよう、さまざまなプログラムを用意している。昨今のオープンキャンパスではどのような取り組みが行われているのだろうか。AERAサポーター高校の高校生記者たちに、実際にオープンキャンパスに参加して感じたことをレポートしてもらった(引用文のあとの大学名は訪れた大学)。
* * *
大学のオープンキャンパスは、自宅を出て大学に向かう道中からすでに始まっている。実際に大学に通うことを想像しながら歩けば、一息つけそうなカフェを見つけたり、電車の込み具合を体感できたり、普段通っている道でも新たな発見があるだろう。
大学が最寄り駅から離れている場合は無料のスクールバスなどが出ているところもある。オープンキャンパス時には特別に乗れる場合もあるようだ。
学生がバスガイドを担当
「最寄り駅の貴志駅からスクールバスに乗った。すると放送学科に通うアナウンサー志望の学生がガイドをしてくれた。一言で言うならば、『面白い!』なんといっても説明が面白いのだ。これが大阪芸術大学の学生なのか!なんと個性豊かなんだろう!と思った」(大阪芸術大学)
大学と最寄り駅が離れていることをうまく活用し、キャンパスに着く前から大学の魅力を高校生にアピールすることに成功している。一種のアトラクションに乗っているような感覚で、「大学」というたくさんの可能性にあふれた場所に向かう高揚感を味わうことができそうだ。
『徒然草』を活用した模擬授業
オープンキャンパスでは各大学で多様なプログラムが行われている。そのなかでも高校生に人気があるプログラムの一つが「模擬授業」だ。大学で実際に行われている内容に近い授業を体験できる。
「『徒然草52段を歩いてみる。』の模擬授業を受けた。普段の高校の授業では文章として暗記しているだけで、詳しい内容は理解してなかったのだと気づかされた」(大阪教育大学国語教育コース)
中学や高校の授業でも使う『徒然草』を題材にした模擬授業は、高校生にとってもわかりやすい内容であるとともに、高校とはまた違う学びを提供している。親近感と新たな発見が同時に得られるこのような模擬授業は、大学での学びの楽しさに気づくきっかけになるのではないだろうか。