◆神奈川県立横須賀高校
1964年、猪熊功はオリンピック東京大会柔道80キロ超級で金メダルを獲得した。
猪熊は1938年生まれ。横須賀高校時代、アメリカ軍横須賀基地の軍人からボディービルディングを教わったことで腕力、足の持久力がつき、一本背負い投げや体落としが得意になったと言われている、1956年、同校から東京教育大(現、筑波大)に進んだ。柔道マンガ「YAWARA!」の主人公・柔の祖父(猪熊滋悟郎)のモデルとされている。
2001年4月、小泉純一郎は内閣総理大臣に就任した(2006年9月まで)。
小泉は1942年生まれ。1960年、横須賀高校を卒業し、慶應義塾大経済学部に進んだ。1972年、政治家だった父親の地盤を受け継いで国会議員となる。自身の高校時代を、こう振り返る。「当時、親の後を継ぎたくない、政治家以外の職業に就こうと思っていたので、きわめて穏やかでおとなしく、できるだけ人目に立たないように、目立たないようにという習慣がついてしまった。また、横高の図書館にはかなり沢山の本を借りた記録があるようだが、日本文学、世界文学を読んでもつまらないからすぐやめてしまい、たいした本を読んだという記憶はない」(県立横須賀高校同窓会ウェブサイト)。
2002年、小柴昌俊はアメリカ人物理学者のレイモンド・デービスと共にノーベル物理学賞を受賞した。「天体物理学とくに宇宙ニュートリノ検出へのパイオニア的貢献」が評価されてのことだった。
小柴は1926年生まれ。横須賀高校の前身、旧制神奈川県立横須賀中学校を1944年に卒業した。東京大理学部を卒業しアメリカの大学で博士号を取得。1962年に東京大助教授、1970年に同大教授となった。1980年代、岐阜県飛驒市に素粒子観測装置「カミオカンデ」を作り、太陽系外から飛来する素粒子ニュートリノの検出に成功したことが、ノーベル賞受賞につながった。
あとひとつで「三冠王」の高校は?
ノーベル賞受賞者、金メダリスト、総理大臣の出身者がそろうことを「三冠王」と呼ぶならば、あとひと息で届かなかった学校がある。
大阪府立北野高校と福井県立藤島高校だ。