「三冠王」の一つ、神奈川県立横須賀高校をたずねた。

 同校は、1908年に神奈川県立第四中学校(四中)として開校し、「自主自律」「自学自習」「文武両道」の三つの校訓があり、地元では名門校として知られている。

 2016年、文部科学省からSSH(スーパー・サイエンス・ハイスクール)に採択され、県教育委員会からは「学力向上進学重点校エントリー校」「STEAM教育研究推進校」の指定を受けている。STEAM教育とは、Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Art(芸術・リベラルアーツ)」、Mathematics(数学)の5分野を統合的に学ぶ教育のことだ。

 横須賀高校の鑪英治(たたら・えいじ)校長が学校について説明する。

「長年、地域の伝統校として評価され、創立以来、数多くの有為な人材を社会に送り出してまいりましたが、昨今、地元から優秀な生徒が横浜や東京の進学校に通う傾向が見られます。そこで、本校は名門復活をめざし、SSHを軸に科学的リテラシーと国際性をもち、各分野でリーダーとして活躍できる人材育成に取り組んでいます。なかでも意欲的で優れた生徒は地域の研究機関や大学の支援を受けながら、国内外の学会で発表し、最先端分野の研究者と交流しています」

  たとえば、同校生徒は2023年アジア中高生による国際コンテスト「グルーバルリンク・シンガポール」に3人1チームで参加し、日本電信電話株式会社(NTT)人間情報研究所の協力のもと「Preliminary Investigation of the Effects of Load Distribution of Upper and Lower Limbs on the “Set” Position Posture in the Sprint Start」という研究タイトルで発表。Applied Science 部門で1チームにのみ与えられる Fine Work Prize を獲得している。

 同校卒業生には、東京科学大(東京工業大と東京医科歯科大の統合で2024年10月に誕生)の初代理事長となる大竹尚登(おおたけ・なおと)がいる。大竹は1982年東京工業大に入学した。また、俳優の窪塚洋介、俊介の兄弟も同校出身である。

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母娘で三冠王校出身も