今季がNPB2年目の日本ハム・加藤豪将(写真提供・北海道日本ハムファイターズ)
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 いよいよ今年も間近に迫ってきたプロ野球ドラフト会議(10月24日開催)。毎年直前になると隠し玉と言われる選手が出てくるが、近年目立つのが海外のチームでプレーしていた選手だ。昨年も日本国籍を持ちながら台湾の高校に所属していた高橋翔聖(登録名は翔聖)をヤクルトが育成1位で指名して話題となったが、彼らのような“逆輸入”でNPB入りした選手はどの程度戦力となっているのだろうか。

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 近年ドラフト会議直前に報道されて話題となった逆輸入選手と言えば山崎真彰(ハワイ大→2019年楽天育成3位)の名前が挙がる。東京学館浦安では全国的には無名の存在だったものの主力として活躍。しかし東京国際大の野球部を1年時に退部して渡米すると、ウィラメット大を経てハワイ大へ編入している。

 アメリカ西海岸の大学リーグで成績を残し、メジャーのドラフト対象となったが指名はなく、楽天が育成ドラフトで指名。当時の年齢は24歳であり、日本の大学生よりも2学年上だった。大型内野手として期待が高かったものの、1年目は右肩の手術を受けてリハビリに専念。2年目は開幕当初から二軍で好調を維持したものの、夏場以降は手術した右肩の影響もあって欠場が続き、翌年は成績を落として支配下登録を勝ち取ることができずに3年で退団となった。二軍での打撃成績は悪くなかっただけに、入団直後の怪我が響いたと言えそうだ。

 ここ数年で最も期待度が高かった逆輸入選手が加藤豪将(メッツ傘下3Aシラキュース→2022年日本ハム3位)。生まれも育ちもアメリカ(一時日本に在住)で、高校時代は強打のセカンドとして活躍。2013年のメジャーのドラフトでヤンキースから2巡目指名を受け、当時は大きな話題となった。だが、マイナーリーグでは目立った結果を残せないシーズンが続き、マーリンズ、パドレス、ブルージェイズと移籍を繰り返す(いずれもマイナー契約)。2022年にようやくメジャー初昇格を果たすと8試合に出場。しかし結果を残せずに同年5月にメッツに移籍し、チーム傘下の3Aシラキュースでプレー。その後、日本のプロ野球への移籍も検討しているということを調査した日本ハムがNPBドラフトで指名することとなった。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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