2019年10月、JICAガーナ事務所で保健分野の企画調査員として働いていた当時の橋本麻衣子さん。休日に友人たちとパイナップル畑に遊びに行った時の一枚(写真:橋本さん提供)
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 就職先に海外を選んだ女性たち。その選択の背景とは。AERA 2024年10月14日号より。

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「高校を卒業してすぐに米国の大学に進学したのですが、それは、もっと違う世界を見てみたいと考えていたことと、中学校や高校で校則の厳しさなどに窮屈な思いをしていたからです。自然と就職も海外になりました。今は、シンプルに海外のほうが働きやすいなと実感しています」

 そう語るのは現在、ベトナムで保健医療のプロジェクト・コーディネーターとして働く橋本麻衣子さん(45)だ。

 15年以上、国際保健の分野で働き、国際協力機構(JICA)、国連人口基金や国境なき医師団、外務省と所属先を変えながらもキャリアの大半を海外で過ごしてきた。

 働く場所に海外を選んでいる理由は四つあるという。

「ひとつ目は残業ありきの業務配分ではないことが多く、ワーク・ライフ・バランスよく働くことができるからです。二つ目は直接的な表現の多い英語でコミュニケーションを取ることで、人間関係の構築がスムーズに感じられること。三つ目は国によりますが、海外で働いていると、手当など日本より比較的良いので経済的な余裕が少し生まれるからです。アフリカや東南アジアの国々では家政婦を雇うこともできます。そして、四つ目が通勤時間です。都内に住んでいると満員電車で押し潰されながら通勤し、ドアツードアで30分以上はかかりますよね。それが、海外だと職場の近くに好みの家を借りて、徒歩で通勤が可能です」

 橋本さんは2歳の娘を育てるシングルマザーでもあるが、「ベトナムでは、ベビーシッターさんを雇って子育てや家事を助けてもらいながら仕事と育児を日本よりも容易に両立することができる」と話す。

長時間労働からの脱出

 日本での長時間労働に疲れ、海を渡った女性もいる。

 現在はタイで日本語教師として働いている女性(42)は、

「大学で小中高の教員免許を取得し、日本で小学校の教師として働いていた期間もありました。でも、始発で出勤して終電で帰るという、完全なブラックで……。環境を変えたいと中学生の頃から憧れていた海外で日本語教師になろうと決めました」

 と話す。

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