チーム会議の様子(写真:名古屋市提供)

学校援助職が常勤

 教員の負担減の一助ともなる取り組みは他にもある。名古屋市教育委員会事務局新しい学校づくり推進部子ども応援課が運営する「なごや子ども応援委員会」はスクールカウンセラー(SC)やスクールソーシャルワーカー(SSW)など、学校援助職の常勤化を2014年から進めてきた。

 きっかけは前年に市内の中学生が自死するという事件があったことだ。子ども応援課課長の平松伸晃さんはこう話す。

「そうした事案を繰り返さないため姉妹都市のロサンゼルスを視察したところ、教員と同じようにSCが常勤していました。子どもたちが安心できる居場所づくりには、教員と複数の専門職がチームを組み、子や保護者を支援することが重要。その思いで取り組んできました」

 市内にある市立中学校全110校に常勤のSCを配置し、小学校260校、幼稚園20園、高校14校、特別支援学校5校すべてに非常勤のSCを置く。加えて、16行政区と高校・特別支援学校の計17ブロックに分け、各ブロックに拠点となる事務局校を設定。事務局校にはSC、SSWのほか、ブロック間や学校との連絡調整など庶務を担当するスクールセクレタリー、元警察官のスクールポリスが詰める。週に1回、ブロックごとにチーム会議を開き、支援改善の検討や情報共有などを行う。

 教員だけではなく複数の目で子どもを見守る、「チーム」で取り組む大切さを強調する。

「SCには子どもの支援について教員や保護者も相談できますし、専門職である第三者の視点が入ることは子どものみならず教員にとっても助けになると考えています」

(編集部・秦正理)

AERA 2024年9月30日号より抜粋

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