今秋のドラフトで、1位で指名される可能性が高いのが、「大学ビッグ5」と形容される5人の選手だ。アマチュア球界№1遊撃手・宗山塁(明治大)、最速154キロ左腕の金丸夢斗(関西大)、強肩強打の右の強打者・西川史礁(青山学院大)、先発、救援と起用法の幅が広い最速157キロ右腕・中村優斗(愛知工業大)、広角に長打を打てる渡部聖弥(大阪商業大)。いずれも球界を代表する中心選手になる可能性を秘めた逸材であることは間違いない。
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なかでも「ドラフトの超目玉」として注目度が高いのが、宗山だ。明大で1年春から遊撃の定位置をつかみ、2年春に首位打者を獲得した。3年まで六大学リーグ通算70試合に出場し、打率.348、8本塁打、44打点をマーク。今年2月に右肩甲骨を骨折したが、4年春のリーグ戦から復帰している。攻守で能力はずば抜けており、1年目から遊撃のレギュラーとして計算できる。
現役時代に遊撃で活躍したプロ野球OBは「鳥谷敬(元阪神、ロッテ)が早大でプレーしていた時より総合力は上。侍ジャパンの常連になる能力を持っている。キャプテンシーがあり、チームを引っ張れるのも魅力です」と絶賛する。
宗山の1位指名は多くない?
各球団はこのスター候補をどう評価するか。実は、「間違いなく宗山を指名する」と予想される球団はそれほど多くない。
まず、遊撃手の若手のレギュラーが固まっているチームは、補強の優先度が低くなる。ヤクルトは長岡秀樹、オリックスは紅林弘太郎と若手の不動の遊撃がいるため、1位指名の可能性が低いとみられる。
宗山は広島県出身だが、地元球団の広島は球界トップクラスの守備能力を誇る矢野雅哉が遊撃を守る。三塁に回っている小園海斗も遊撃が本職だ。得点力不足が最大の懸案事項のため、外野を守る西川、渡部の1位指名が自然に思える。
スポーツ紙デスクは、阪神も指名の可能性は低いと見る。
「阪神の遊撃には木浪聖也がいて、小幡竜平のほか、昨年のドラフトで山田脩也、百崎蒼生と将来の遊撃のレギュラー候補を獲得しています。投手王国と言われていますが、若手が少ないので金丸を指名するのではないでしょうか」