広島・藤井彰人ヘッドコーチ(写真提供・広島東洋カープ)
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 広島・藤井彰人ヘッドコーチへの評価が高い。6年ぶりのリーグ優勝を目指すチームの頭脳となり、新井貴浩監督をしっかりサポートしている。

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 今年のセ・リーグは激しい優勝争いが繰り広げられているが、リーグ2位となった昨年に続き下馬評は高くなかった広島が堅実な野球で上位につけている(9月16日終了時点で首位・巨人から5ゲーム差の3位)。9月に入り失速した感もあるが、ここからの踏ん張りも期待されている。

 ここまで広島はチーム防御率2.51が阪神に次ぐリーグ2位。逆にチーム打率(.237)、本塁打(51)は最下位で得点数も5位(378)。他にも攻撃面の数字は芳しくないものも多く、守り以外では突出したものはない。そんな中でチームが勝てている理由には藤井ヘッドの存在も大きいという。

「(リーグ3位の)盗塁数などの少なさを見ても、以前のような機動力野球とも異なる形。データを最大限に活用し勝てる可能性を高めている。中心となっているのが藤井コーチと言われる」(スポーツ新聞野球担当デスク)

 ベンチ内の定位置は新井監督の横で、試合中に会話を交わしている姿はよく目にする光景だ。現役時代、阪神でプレーしていた時に「男前」と呼ばれ、ファンの間で人気を誇った男は、今では広島に欠かせない“参謀役”となっている。

「同い年で阪神時代にともに汗を流した新井監督が、監督就任の条件の1つとして藤井コーチ招聘を挙げたらしい。多くの球団を渡り歩いて様々な経験を積んだ。(楽天時代には)野村克也監督のもとでID野球も学んだ。何よりも明るく真面目で、野球への取り組み方が素晴らしい」(広島OB)

 現役時代を含め経験は非常に豊富だ。1998年のドラフト2位で近畿大から近鉄に入団すると、2005年の球界再編による分配ドラフトで楽天に移籍。2006年からの4年間は野村監督の下でプレーした。2010年オフにFAで阪神に移籍し、2015年限りで現役を引退。2016年は阪神からの出向で独立リーグ福井、2017~22年は阪神でコーチを務め、昨年から広島のヘッドコーチに就任した。

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様々な意味でチームに“欠かせない存在”に