不調ながらタイトル争いをしているヤクルトの村上宗隆

他球団の4番にも目立つ不調

 打撃タイトルを近年分け合ってきたヤクルトの村上は、今季はここまで打率.231、23本塁打、65打点。岡本と同様に本塁打、打点でタイトルを狙える位置につけているが、打率は規定打席に到達した選手の中で下から2番目と状態が上がってこない。9月は25打数2安打で打率.080 、0本塁打と絶不調。最近は4番を外れる試合が目立ち、3番、2番、6番でスタメン出場している。

 阪神の4番で昨季38年ぶりの日本一に導いた大山悠輔も、前半戦に打撃不振でファーム降格を経験した。 DeNAの牧秀悟は22、23年と2年連続4番で全試合出場したが、今季は得点圏に走者を置いた場面でブレーキになる打席が目立ったことから、8月以降はタイラー・オースティンが4番に。牧は5番を担っている。

岡本が打つとベンチが盛り上がる

 巨人を取材するスポーツ紙記者は、「岡本が打撃不振だった6月の終わりに、阿部監督が4番から外すことを示唆しましたが、悩んだ末に4番で起用し続けた。替えがいない存在ですし、岡本が4番の役割をまっとうしないと優勝は見えてこないと判断したのでしょう。実際に岡本が打つと、ベンチの盛り上がりが凄い。他の選手の本塁打とは重みが違うんですよね」と期待を込める。

 象徴的な試合が今月5日のヤクルト戦だった。負ければ同一カード3連敗の危機で、4回まで相手左腕・山野太一に無得点に抑えられていた。重苦しい雰囲気が漂う中、0-0で迎えた五回。2死一、三塁の好機を作ると、岡本が初球の直球を右翼席に運ぶ先制3ラン。この一打が決勝点となり、広島が負けたため首位に浮上した。

 今季本塁打を打った試合は17勝3敗1分。4番が打つと打線が活気づく。チームの優勝につながれば、厳しい評価も変わっていくはずだ。

(今川秀悟)

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