巨人の4番を務めた清原和博

想像できないほどの巨人の4番の重圧

 巨人を長年取材してきた民放テレビ関係者は、こう語る。

「巨人の4番は想像できないほどの重圧が掛かります。現在みたいにSNSがない時代でしたが、1980年代に4番を務めた原辰徳前監督の現役時代は、『チャンスに弱い』『巨人史上最低の4番』などメディアで散々叩かれてきました。1990年代後半に西武からFAで移籍し、巨人の4番を務めた清原和博も、好機で凡退する打席が続いた時期に、当時の応援団が太鼓とトランペットの応援をボイコットしました。沈黙の中で打席に入ることに、本人は相当なショックを受けたと思います。岡本も巨人ファンの求める水準が高いので、批判の対象になりやすい。宿命ですね」

 同じセ・リーグでプレーする選手は岡本に同情的な見方を示す。

「和真に一番厳しいのが巨人ファンですよね。色々な守備位置を守って本塁打、打点の2冠を狙える。凄いことですよ。複数のポジションを守るとボディーブローのように疲労が蓄積するんです。和真の場合は一塁、三塁だけでなく左翼も守っている。使う筋肉が違うし、打席に入るリズムも変わってくる。今まで内外野の3つのポジションを守って打撃タイトルを獲得した選手はいないでしょう。想像以上に大変だと思います」

 今年の岡本は一塁で83試合、三塁で26試合、左翼で15試合先発出場をしている。ポジション別で先発時の成績を見ると、一塁は打率.275、18本塁打、46打点。三塁は打率.234、3本塁打、18打点。左翼は打率.246、1本塁打、4打点。左翼を最後に守った試合が8月13日の阪神戦で、その後は一塁と三塁を守っている。

 投高打低が顕著になっているシーズンで、複数の守備位置を担いながら、4番でスタメンを張り続けている姿は評価されるべきだろう。

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