坂本生民さん(右)、坂本健太さん(撮影/江藤大作)
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 AERAの連載「はたらく夫婦カンケイ」では、ある共働き夫婦の出会いから結婚までの道のり、結婚後の家計や家事分担など、それぞれの視点から見た夫婦の関係を紹介します。AERA 2024年9月16日号では、株式会社ヌーラボの坂本生民さんとチャリチャリ株式会社の坂本健太さん夫婦について取り上げました。

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妻33歳、夫30歳で結婚。長男(6)と長女(3)と福岡で4人暮らし。

【出会いは?】異業種交流会。同じ業界で働いているとわかり、話が合った。

【結婚までの道のりは?】頻繁に会うようになって2カ月後、夫が東京から名古屋へ転勤。名古屋に実家のある妻が行き来し、夫は妻の家族やとも仲良くなる。出会いから1年弱で結婚。

【家事や家計の分担は?】家事は手が空いた方が回す。料理は妻、洗濯や子の送迎は夫が多め。夫の母が助けることも。財布は別で、家計用口座に毎月一定額を入れ、生活費や子の教育費にあてる。これを「納税」と呼んで家庭内で制度化している。

妻 坂本生民[43]株式会社ヌーラボ コミュニケーション部部長

さかもと・いくみ◆1981年、愛知県生まれ。青山学院大学大学院国際マネジメント研究科修了。外資系人材サービス会社、日系メーカーのグローバル広報職を経て、ヌーラボ入社。プロジェクト管理ツール「Backlog」などマーケティング統括業務を経て、現在は広報の担当部長

夫とは生活の価値観が近く、お金をかけるところはかけて家事を時短にするなど力の抜き具合が合うので、家のことはさほど話し合わなくても回ります。仕事も、お互い働く方が経済的に合理的という話を普通にできるのはありがたいですね。新卒で同じ業界に入り、同じタイミングでリーマン・ショックを経験し、世の中に対する見方が似ているのかもしれない。

 東京を離れたきっかけはコロナでした。蔓延した時期に第2子を妊娠する中、狭い2LDKの空間で制約された生活に振り回されて、今後どこで仕事と育児をするのかと。夫の実家のある福岡へ移住し、現地でキャリアを生かせる仕事に出合えたのは大きいです。

 福岡にはスタートアップを支援する制度や風土があって、新しい芽がどんどん出ている。

 さらに街を良くしたいという地域の熱量があって、私たちもそこに参加したい気持ちが芽生えています。移住してくる人のためにも、子どもたちのためにも、これから地域との縁を作っていきたいです。

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