坂本生民さん(右)、坂本健太さん(撮影/江藤大作)

夫 坂本健太[40]チャリチャリ株式会社 コーポレートマネジャー

さかもと・けんた◆1984年生まれ、6歳で福岡に。大学卒業後、リクルートグループで10年、営業職に従事。早稲田大学大学院経営管理研究科でMBAを取得し、スタートアップ企業で事業部長を務める。現職では財務・IR・採用活動などコーポレート業務の責任者を担う

 人生は旅と同じだと思って、かつては仕事の転勤でいろんな所へ流れるのが好きでした。

 別居婚から始まり、大学院で学ぶのに退職して東京に戻りました。妻が自分もMBAを取った経験から面白いよ、と後押ししてくれたんです。長男誕生時、僕は学生でしたが、生活費1年分を先払いして学びに行きました。互いに自立し、価値観が合うから成り立つのでしょうね。

 家族ができて、僕の旅の質は変わりました。福岡移住の決め手は住環境の良さ。僕自身、育児参加の時間を増やしたいという思いもありました。

 仕事と住居を見つけ、保活も2人分やって全てゼロリセット。親が子に与えられるのは環境しかないと思って4LDKの家、園庭のある保育園など子がどんな環境に育つかを考えながら選択しています。

 移住して3年が経った今、地域に対して何ができるかを考えています。子が大人になった時、地域が繁栄していてほしいし、今よりも良い環境にしたい。家族から地域へ、視座が変わってきています。

(構成/編集部・桝郷春美)

AERA 2024年9月16日号

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