優勝するためには岡田監督がベスト
「今岡コーチはロッテ、阪神で10年以上の指導歴があり、内部事情にも精通している。選手たちは違和感なく新体制を迎えられると思いますが、勝てる集団の構築という点ではどうか。来年優勝するための確率論で考えれば、岡田監督がもう1年指揮をとるのがベストでしょう。岡田監督ほど戦術眼、分析力に長けたリーダーはなかなかいない。今年の戦いを振り返っていろいろ反省点があるでしょう。心身のコンディションに問題がないことが前提になりますが、来季も続投してほしいという声が球団内から出ています。同時に、後継者育成という観点から、球団OBの藤川球児、鳥谷敬のコーチ招聘を検討すべきです」(在阪の民放テレビ関係者)
岡田監督について、賛否両論の声が上がっているのがメディアを通して首脳陣、選手に苦言を呈していることだ。一部のメディアで「選手と監督の間に溝ができている」という指摘があるが、球団OBは否定する。
「年の差が離れているので、岡田監督からすれば孫を見る感覚です。怒られ役の森下はかわいくてしょうがないでしょう。やり玉に挙げられた選手が引きずることはないですし、今の若手は気持ちを切り替えるのが速いですよ。岡田監督はシャイなので面と向かって選手とコミュニケーションを頻繁に取るタイプではないですが、選手を見かけると話しかけている姿を見ます。僕らの頃は近寄りがたい雰囲気だったので、昔と違って丸くなったなあと感じます」
岡田監督は阪神の1次政権時代、05年にリーグ優勝。08年は前半から首位を快走していたが、腰痛を抱えながら北京五輪に出場した新井貴浩(現広島監督)が、復帰後に腰椎骨折で離脱するなど主力に故障が相次ぎ、巨人に13ゲーム差をひっくり返された苦い経験がある。大逆転負けの責任を取る形で辞任したが、選手からは「辞める必要がない」と慰留する声が多かった。
15年ぶりに阪神の復帰に監督した昨季、日本一に輝き、リベンジを果たした形となったが、就任2年間で完全燃焼したと言えるだろうか。岡田監督の決断が注目される。
(今川秀悟)