1次政権時代の2008年、指揮官として最後の試合となったCSの中日戦で敗退。泣きながら選手と握手を交わす岡田監督

昨年と今年で違うチームの空気

 今季開幕前の野球評論家のセ・リーグ順位予想では、阪神を優勝に推す声が圧倒的に多かった。実際に3、4月は15勝9敗3分と好スタートを切ったが、主力の大山悠輔、佐藤輝明、森下翔太が前半戦に打撃不振でファーム降格など想定外の事態もあって、6月終了時点で勝率5割と貯金を吐き出した。7月は14勝8敗で上昇気流に乗るかに見られたが、8月は11勝13敗と負け越し。広島、巨人と三つ巴の優勝争いをしてきたが、徐々に離され、9月初旬時点では3位で、4位のDeNAに追い上げられている。

 阪神を取材するスポーツ紙記者は、昨年とチーム内の空気の違いを指摘する。

「18年ぶりの優勝に向けて戦っていた昨年は緊張感が漂っていたが、今年はちょっと違うんですよね。日本一を達成して満足していることはないと思うんですけど、チャレンジャーというより受け身になっている感じがします。下位球団との対戦であっさり取りこぼしたり、ここを勝てば一気に勢いに乗るという試合をことごとく落としたりしている」

「長くやるつもりはない」

 岡田監督の功績や今季も優勝争いを繰り広げていることを考えると、今年優勝を逃したとしても、通常なら監督交代の話は出てこない。だが、岡田監督は昨年の就任時から、「(監督を)長くやるつもりはない」と明言していた。現在65歳という年齢を考えると、常勝軍団の礎を築いて後任の監督にバトンタッチという青写真を描いていただろう。メディア内では「リーグ連覇を飾り、今年限りで退任するのでは」と予測する声が多かった。

 監督交代の場合、後任は内部昇格の可能性が高く、今岡真訪1軍打撃コーチ、監督経験がある和田豊2軍監督が有力候補とみられていた。だが、岡田監督の続投を望む声が次第に高まっている。

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