続投か退任か。去就が注目される岡田監督
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 優勝争いが佳境を迎える中、シーズンも終盤に入り、各球団で「監督問題」が注視されている。

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「最下位に低迷している西武ヤクルトのほか、中日も立浪和義監督が3年契約の最終年です。DeNAも就任4年目の三浦大輔監督がCS進出を逃すようだと責任を問われる。あとは阪神ですね。岡田彰布監督の動向が注目されます」(スポーツ紙デスク)

 岡田監督は就任1年目の昨季、18年ぶりにリーグ優勝し、38年ぶりの日本一にも導いた。指揮官の功績は大きい。

 阪神は得点力不足が長年の課題だったが、岡田監督は球団フロントへの要望で四球の査定ポイントをアップさせ、ナインの出塁への意識を変えた。昨年、494四球、555得点はいずれもリーグトップ。4番の大山悠輔は「岡田阪神」の野球を体現する象徴的な存在で、リーグトップの99四球で最高出塁率(.403)のタイトルを獲得した。

 守備陣もテコ入れした。送球に不安を抱えていた中野拓夢を遊撃から二塁に回し、伸び悩んでいた木浪聖也を遊撃のレギュラーに抜擢。矢野燿大前監督の時は主力選手に複数のポジションを守らせていたが、大山を一塁、佐藤輝明を三塁に固定した。守備力を重視した布陣だったが、木浪は「恐怖の8番打者」で稼働。チャンスメークに加え、得点圏打率.310と勝負強さを発揮して下位打線の核になった。

 他球団のスコアラーは昨年の阪神をこう振り返る。

「強かったですよ。元々選手の能力は高かったが、岡田監督が就任して勝つ術を身につけた感じがします。先発の柱として計算していた青柳晃洋、西勇輝の働きがイマイチだったが、前年まで未勝利だった村上頌樹、ソフトバンクから現役ドラフトで大竹耕太郎が大ブレークするなどツキもあった。年齢的にも25歳から30歳前後の脂ののった選手が多いし、今年も間違いなく優勝候補の本命だと警戒していました」

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スポーツ紙記者が見た昨年と今年のチームの違いとは…