恋愛において人は二種類に分かれる

 というのも、まだピチピチに若くてそれなりに彼氏への嫉妬に狂い、やきもちを焼いては束縛したりされたりしていた大学生の頃、自分のことは棚に上げて周囲の女友達やカップル、自分の彼氏や男友達の彼女などを見ていて、どうやら恋愛において人は二種類に分かれるらしいという自分なりの気づきがあったからです。一方は付き合うと相手の世界をぐっと広げるタイプの人間、もう一方は付き合うと相手の世界をぐんと狭めるタイプの人間。

 たとえば大学院生の頃、別の大学院に通う男の先輩がいて、研究分野に重なるところがあったこともあり割と仲良くしてもらっていたのですが、その人に彼女ができてからというもの、仲間内の読書会や食事の場にめっきり出てこなくなり、徐々に女性メンバーとは音信不通になってしまったということがありました。中心的なメンバーとして熱心に参加していたのになんだかもったいないなと思ったと同時に、それまで自分も恋人が女性のいる場に楽しそうに出かけていくのを快く思っていなかったような気がして、こうやって相手の世界を狭めていたのかと怖くなった記憶があります。

 逆に、その人と付き合うことで活躍の場が広がり、人間関係や仕事や趣味が豊かになるという人もいて、編集者である私の友人で典型的にそんなタイプの子がいます。彼女の恋人を過去三人ほど紹介されたことがありますが、どの方も初めのうちは冴えなかったり話題が狭かったりするのに、彼女と付き合ううちに私とも共通の知人や話題ができて、服も表情も素敵になっていった気がします。結婚してどんどんおしゃれで社交的になったベッカムを見ていて、妻のヴィクトリアもそんなタイプだったのかな、なんて勝手に想像していました。私の母もそういうタイプで、彼女と結婚してから看取るまでのあいだ、父の趣味や仕事、人間関係は明らかにどんどん幅広く豊かになっていました。

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