束縛は時に相手の世界を狭めるけれど、元カノ元妻に関して言えば、そこに新しい世界が広がっているわけではなく、ただただ過去の美化された思い出の中で泳いでいるようなものだと割り切って、それを気に入らないと思う自分をそれほど狭量だとか嫉妬深いとか思わないでいいいような気がします。新しい世界を広げるためには自分にとって不要な過去にある程度見切りをつけて手放す勇気が必要なのだから、あなたのその気持ちが相手の世界を狭めているわけではないのです。と、自分に言い聞かせて、元カノ元妻と良好な関係を保つ(=利用される)ことの不毛さについてしつこく言い聞かせるのがいいと思います。

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鈴木涼美

鈴木涼美

1983年、東京都生まれ。慶應義塾大学在学中にAV女優としてデビューし、キャバクラなどで働きつつ、東京大学大学院修士課程を修了。日本経済新聞社で5年半勤務した後、フリーの文筆家に転身。恋愛コラムやエッセイなど活躍の幅を広げる中、小説第一作の『ギフテッド』、第二作の『グレイスレス』は、芥川賞候補に選出された。著書に、『身体を売ったらサヨウナラ 夜のオネエサンの愛と幸福論』『非・絶滅男女図鑑 男はホントに話を聞かないし、女も頑固に地図は読まない』など。近著は、源氏物語を題材にした小説『YUKARI』

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