パジャマも「睡眠の質」を左右する要因の一つ。どんなパジャマを選ぶのかはもちろん、どう着るのかも重要だ
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 ヒトは眠っている間にコップ1杯分の汗をかく、そのために吸水性がよく、皮脂汚れが落ちやすい素材のパジャマを着て寝るのがいい、ということはよく知られている。だが、パジャマの効果はそれだけではない。シリーズ累計145万部の「超基本」シリーズ最新刊で、睡眠研究の第一人者・柳沢正史氏が監修した『今さら聞けない 睡眠の超基本』を引用しつつ、快眠のためのパジャマ選びについて解説したい。

眠る準備が自然とできる「入眠儀式」

 部屋着がパジャマだという人は、意外に多い。出勤のためにビジネス仕様の洋服を着て、帰宅後は部屋着に着替え、寝る前にはパジャマに着替える、となると、1日に何度も着替えることになり、なかなかに面倒だ。

 だが、パジャマに着替えることが「入眠儀式」となって、眠りを誘うこともある。入眠儀式は「ベッドタイム・ルーティン」とも呼ばれ、寝る前に行う一連の行動や習慣を整えることで、入眠がスムーズになる効果がある。子どもへの読み聞かせもこの一種だ。

 脳や神経を刺激しないことが重要で、例えば、「夕食後に入浴→歯みがき→テレビ→ストレッチ→読書→布団に入る」などのように毎日同じ順番で行うのがポイント。この繰り返しによって、脳は「今から寝るんだ」と認識し、自然な眠りに入ることができるとされる。「パジャマに着替える」が入眠儀式になっていれば、1日中出かけずに過ごした日でも、部屋着からパジャマに着替えただけで自然に眠る準備に入ることができるというわけだ。

子どもに良い睡眠をさせるには

 特に子どもにとって、この「入眠儀式」は重要だ。 8月16日に公開した記事【「睡眠負債」が日本人の生産性を下げている? 1日1時間を取り戻すのに「4日」という現実】で、日本人の多くが睡眠不足だということに触れたが、幼いころから子どもと親が別室で寝る習慣がある欧米に比べ、子どもと親が一緒に寝ることが多い日本では、子どもも就寝時間が遅くなって睡眠不足に陥ってしまうことがある。

 子どもが睡眠不足になると脳の発達が阻害され、認知機能が下がるという研究結果もある。子どもは同じ物や行動にこだわる傾向があるため、お気に入りの絵本を読む、ぬいぐるみを抱っこする、パジャマに着替えるなどの入眠儀式を取り入れ、スムーズに睡眠に入りたい。

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パジャマで睡眠の良し悪しが決まる