第33回オリンピック競技大会(パリ五輪)の熱戦が続いている。
日本代表はメダル獲得を目指して、厳しい練習を積み重ねてきた。それは少年少女時代からの夢をかなえるため、といえよう。オリンピックで世界一になるために。
日本代表のなかには高校時代から世界で活躍してきたアスリートも少なくない。彼らはどのような高校で力をつけ、技を磨いてきたのか。日本代表409人の出身高校を調査、集計し、ランキングを作ってみた。
※JOCが発表した代表名簿をもとに集計。出身大学や高校、所属機関、競技団体などの資料から作成した(出身校非公表のケースもあり、判明分で集計)。リザーブ、補欠は含まない。パラリンピックは含まない。
パリ五輪日本代表が通っていた高校の横顔を見てみよう。
■富岡高校(福島・県立)8人
保木卓朗、小林優吾、渡辺勇大、大堀彩、東野有紗(以上、バドミントン)、平尾知佳、北川ひかる、守屋都弥(以上、サッカー女子)が代表入りを果たした。渡辺勇大と東野有紗の「ワタガシ」ペアは2大会連続で銅メダルを獲得している。
同校は2006年にスポーツ専門の学科を設置し、ここから多くのアスリートが生まれている。だが、東日本大震災で大きな被害を受けて富岡高校は募集停止となる。その後、県内双葉郡の県立高校(双葉高校、浪江高校、浪江高校津島校、富岡高校、双葉翔陽高校)が統合され、県立ふたば未来学園高校が誕生した。県立ふたば未来学園からは三戸舜介、古賀塔子、谷川萌々子の3人が日本代表に選ばれた。富岡と富岡を引き継いだふたば未来学園から合わせて11人のオリンピック選手が生まれたことになる。
■秀明英光高校(埼玉・私立)4人
大川慶悟、足立聖弥、西村永遠、鈴木透生の4人全員が水球で代表の座を勝ちとった。
秀明英光は全国高校総体の水球で4度の全国制覇を果たしており、これまでも水球に日本代表を多く送り出している。21年東京大会では同校から12人の日本代表が選ばれており、出身高校ランキングではトップだった。
24年6月に同校で壮行会が行われ、代表4人は1000人を超す高校の後輩たちに決意表明を述べている。このとき、日本チームの主将を務める鈴木は取材にこう答えた。「がむしゃらに練習していた自分を思い出し、格好いい先輩の姿を見せたいと思った」(埼玉新聞24年6月4日)