■洛南高校(京都・私立)4

 桐生祥秀、三浦龍司(以上、陸上)、比江島慎(バスケットボール)、大塚達宣(バレーボール)。

 比江島は洛南から多くを学んだことについて、感謝の意を示している。「伝統ある洛南高校でプレーできたことを誇りに思っていますし、僕の人生の中でも特別で大切な3年間でした。洛南での日々で多くのことを学ぶことができるからこそ、Bリーグで多くの選手がプレーできているのだと感じています」(同校バスケットボール部ウェブサイト)。洛南はスポーツ、大学進学のコースに分かれている。24年の難関大学合格実績は京都大83人、大阪大22人、東京大12人だった。

■佐賀工業高校(佐賀・公立)4

 津岡翔太郎、福士萌起、松本純弥(以上、7人制ラグビー男子)、堤ほの花(7人制ラグビー女子)。堤は2大会連続の出場となる。

 佐賀工業のチームスローガンは「不撓(ふとう)不屈」。数あるラグビー強豪校のなかで日本代表に同校出身者が多いことについて、福士はこう話す。「不撓不屈を前面に出している通り、忍耐力を鍛えられてきたので、諦めないプレースタイルが7人制に合っているんじゃないか」(西スポWEB24年4月29日 )。23年、佐賀工業は7人制の全国大会で全国制覇を果たした。

 各競技で全国制覇を成し遂げた高校が並んでいる。そして、各競技に力を入れ、全国から優れたアスリートが集まる私立高校が優勢である。

 だが、公立高校もかなり健闘しており、日本代表に2人以上を送り出した高校は、上記のほかに市立船橋、岩国工業、不来方、藤代紫水、松戸国際、八千代、豊橋南、宇治山田商業、伊吹、鳥羽(京都)、西脇工業、横田、高知南、北九州市立、福岡魁誠、鹿児島南となっている。

 超がつく進学校出身の代表もいる。聖光学院(神奈川)の荒川龍太(ローイング)、東京学芸大学附属の松本信歩(競泳)、神戸女学院の与那嶺恵理(自転車/ロード)などだ。24年、聖光学院からの東京大合格者は100人だった。

 出身高校から日本代表をみると、たしかにスポーツ強豪校が多く、オリンピック出場者は雲の上の存在と思ってしまう。

 だが、全国の公立高校、有名な進学校出身の日本代表が世界で戦っている姿をみると、身近な存在に感じられる。さらに出身高校とその周辺地域はおおいに盛り上がる。

 トップアスリートがどんな高校生活を送っていたか、なかなか興味深い。

<文中敬称略>

(文/教育ジャーナリスト・小林哲夫