最下位に低迷する西武。変革に向けて見つめ直す必要があるのはチーム強化だけではない。本拠地・ベルーナドーム(西武ドーム)で、大きな問題になっているのが夏場の暑さだ。今年も熱中症とみられる体調不良の選手が続出している。関係者に話を聞くと、「球場改修を検討するべき」という声が多い。
4月14日の西武ーソフトバンク戦で、右肩の軽い張りから復帰した西武の先発右腕・高橋光成が今季初登板。111球を投げて6回4失点でマウンドを降りた後、体調不良を訴えて病院に向かった。報道によると、熱中症が原因だったという。また、7月5日の西武ーロッテ戦では、ロッテの先発左腕・小島和哉の体調に異変が生じた。7回にマウンド上で苦しそうな表情を浮かべて胸を押さえ、トレーナーが駆け寄った。熱中症の症状で、2死を取った場面で降板した。
「屋根を外したほうがいいんじゃないですか」
かつての西武球場と西武ドーム、両球場でプレーしてきた球団OBはこう振り返る。
「西武球場でプレーしていた時代は夏場の気温が今のように高くなかったので、快適でしたよ。自然に囲まれているし、ストレスを感じる暑さではなかった。西武ドームになってから、プレーする環境が一気に変わってしまった。夏は暑すぎるし、春先や秋は寒すぎる。快適にプレーできる時期が短い。現役当時は、密閉式のドーム球場でプレーする他球団の選手がうらやましいと感じたことはありましたね。西武ドームで毎日プレーすると、蓄積疲労がありましたし、連戦が続くとしんどい。足がつったり、頭痛がひどい時が何度もありました。他球団の選手からも、『暑すぎるのでどうにかしてくださいよ』と言われましたね。室内練習場や寮が改修されて立派になりましたけど、選手がプレーする環境を考えると、球場の改修を考えたほうが良いと思います。ドーム化が厳しいなら、むしろ屋根を外したほうがいいんじゃないですか」