左打者対策として登板することの多い山本以外は登板試合数以上の投球回を記録しており、既に全員がイニングまたぎを経験している。ヤクルトは先発投手の防御率が3.81と12球団でワーストとなっており、試合序盤に先発投手が降板するケースも多く、その影響が出ていると言えそうだ。チームホールド数67はセ・リーグで最低の数字であり、その点も気になるところだ。

 セ・リーグは下位2球団の負担が大きくなっているが、一方のパ・リーグではシーズン序盤から上位争いを演じている日本ハムの救援陣の負担が大きくなっているように見える。登板数を見ても田中正義がリーグ2位の37試合、河野竜生がリーグ3位の36試合を記録。他にもマーフィー(32試合)、杉浦稔大(31試合)が30試合を超えている。ただセ・リーグの2球団に比べるとそこまで極端に連投やイニングまたぎが目立つわけではなく、宮西尚生や池田隆英といった実績のある投手が戦列に加わっていることもあり、徐々に改善されていくことも期待できそうだ。

 逆に負担を上手く分散できているチームとなるとロッテになるだろう。パ・リーグの登板数トップ20の中にランクインしているのは鈴木昭汰(32試合・7位タイ)とクローザーの益田直也(27試合・18位タイ)の2人だけとなっている。最も登板の多い鈴木も3試合以上連続で登板したケースは一度もなく、2試合連続で登板したケースも4度しかない。登板数の多い投手はイニングまたぎも少なく、逆に先発投手としての経験もある中村稔弥は登板間隔を空けながら起用して2回以上を投げるケースが多くなっている。このようにリリーフでも上手く役割を変えながら起用しており、特定の投手に負担がかからないことをよく意識しているように感じられるのだ。現在のチーム防御率は3.31でリーグ5位と決して良いわけではないが、長いシーズンを考えると夏場以降に大きく成績が落ちる危険性も少ないのではないだろうか。

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ロッテの運用は他球団も見習うべきか