潮井エムコ『置かれた場所であばれたい』(朝日新聞出版)
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『置かあば』を読むと、潮井さんは本当に、くだらないと言うと失礼かもしれないですけど、日々のちょっとしたことを楽しんでいますよね。盛れる機能のあるプリクラで、鼻の穴にまつ毛を生やそうとするとか(笑)。

 そういう、年を取っても思い出して笑えるような、忘れられないエピソードって、どうやったらできるんだろうって。くだらないことを楽しむコツやマインドのようなものがあるなら、聞きたかったんです。

潮井エムコ(以下、潮井):私は小さい頃から、親に「ちゃんとした人になってほしい」と思われていて、ずっとそれに反発していたんです。その反骨精神のたまものと言いますか、「ばかじゃないの」と言わせたら勝ち、みたいな。そんなマインドでいたのかなと思います。

せやま:へええ。

潮井:親の思いどおりに育って、「こんないい子に育てたのは私です」みたいに思われたくなくて。親の考えているレールの外の世界の良さを、私なりに証明したかったんですよね。あなたがどんなに厳しく私のことを管理しても(「母の教育方針」)、思ったとおりにはならないよ、と。くだらないことに一生懸命になっていたのは、そういうところがルーツかなと思います。

 あとは、純粋におもしろいからなんですけど。勉強がとにかく好きじゃなくて、ひどい10代を過ごしてしまいました(笑)。ずっと反抗期なんです。

──せやまさんは、反抗期はなかったですか?

せやま:父親に対しては少しあったかもしれないけど、母親にはあまりなかったですね。真面目な子でした。だからか、おもしろいことをする人にあこがれとコンプレックスがあります(笑)。

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