他に日本勢のライバルとなるのは五輪ランク2位のロリー・マキロイ(アイルランド)、ルドヴィク・オーバーグ(スウェーデン)、ジョン・ラーム(スペイン)あたりか。トミー・フリートウッドとマシュー・フィッツパトリックの英国コンビも強力だが、普段プレーするPGAツアーやメジャー大会の選手層の厚さに比べると、五輪のフィールドはやや見劣りする。

 特に今季の松山は、PGAツアーのザ・ジェネシス招待で2年ぶりのツアー通算9勝目をマーク。6打差をひっくり返し復活を印象付けた。また、全米オープンとザ・プレーヤーズ選手権で6位と上位進出。この他にもトップ10入りが2試合あり、五輪ではメダル候補の一人と見てよいだろう。

 そして中島にもメダル獲得のチャンスがある。DPワールドツアーで戦う今季は、ラアス・アル=ハイマ選手権で4位になると、ヒーローインディアンオープンで日本人史上5人目となるツアー制覇を達成。6月頭のヨーロピアンオープンでも6位とトップ10に食い込んでおり、主戦場の欧州が舞台の五輪で躍進が期待される。

 また中島は、アマチュア時代にナショナルチームのメンバーとして長年にわたり日の丸をつけてきた。普段とは違う国や地域を代表して挑む舞台でのプレーは、他のプロよりも心得ている。さらに、大会コースのル・ゴルフ ナショナルは、7位となった2022年のアイゼンハワートロフィー 世界アマチュアゴルフチーム選手権の会場。中島には、2年前の雪辱もかかっているだけに、気合のこもったプレーを見せてくれるはずだ。

 一方の女子も日本勢にメダル獲得の期待がかかる。金メダルの本命は前回優勝で今季すでに6勝している米国のネリー・コルダだが、笹生と山下にも表彰台のチャンスは十分にあるだろう。

 まずは笹生。現在23歳の笹生は、全米女子オープンで3年ぶり2度目の優勝を飾った。その後は、ショップライトLPGAとアムンディ エビアン選手権で予選落ちしており、やや心配な部分もあるが、五輪の舞台はフィリピン代表として臨んだ東京大会に続き自身2度目。国や地域を背負うという普段とは異なる雰囲気は体験済みで、今回は日本代表としてどんなプレーを見せてくれるのか興味深い。

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山下美夢有が世界にその名を轟かせるか?