一方、「1時間集中読書型」は、マイクロソフト創業者のビル・ゲイツだ。1時間を毎日読書のために用意して、この時間に150ページを読むことも。本の余白にメモを取ることは有名で、そのため世界一のテック企業の創始者でありながら、紙の本限定で読んでいると伝えられている。

 投資の神様、ウォーレン・バフェットも「仕事時間の80%は、読書と思考に費やしている」と発言したこともある「就業時間活用派」として知られる。「1日千ページ読む」「1日5~6時間は読書に費やす」などの多読エピソードも多数ある。

 最後にメタ(フェイスブック)のマーク・ザッカーバーグCEO。2週間に1冊ペースのスロー読書で知られ、その代わり読書の内容を記録したり話したりすることで定着させる「アウトプットタイプ」。以前はフェイスブック内で「A Year of Books」という読書会を主宰していたことも。

 みんな、どんなに偉くなってもやめる人がいないのが、読書のすごいところ。歴史上一番の至福の時間は、世界中の人のポケットの中にあるらしい。(ライター・福光恵)

AERA 2024年7月22日号より抜粋