ちょっとした空き時間に細切れでも読書をすることが大切(写真/iStock / Getty Images Plus)
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 社会人になってから、なかなか本を読めないという人も少なくないだろう。仕事が忙しいから、仕事のための読書が優先になるから。いろいろ理由はあるが、忙しくても読んでいる人はいる。どうすればいいのか。AERA 2024年7月22日号より。

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 弁護士の伊東良徳さん(64)が2002年から自身で付けてきた記録によると、これまで読んできた本は4602冊。06年からは毎年300冊の読書を目指して読書日記も公開するようになった。ちなみに初めて日記に記録した本は梅棹忠夫著『知的生産の技術』。学生の時に読んだものを再読したものだった。

空き時間に細切れ読書

 そんな伊東さんは、ちょっとした空き時間に細切れで読書をすることが多い。通勤時間や裁判所への移動時間など、普通ならスマホを開いて見てしまうような数分程度の時間にも、本を開いて読むようにしている。例えば1駅なら、平均して本の2ページは読める。読みやすい新書などなら、2日の通勤で、1冊読むことも可能だ。

「毎日決まった読書の時間を作って読む方法もありますが、たとえ1時間でも、読書の時間を取るのは、誰にとっても簡単なことではありません。仕事場で時間ができたら仕事をしますし。帰宅後に読書の時間を作るのは、続きが読みたいなどよっぽどおもしろい本でないとむずかしいですよね」

 伊東さんの読書術は、レベル別にいくつかある。まず年間100冊読破を目指すレベルの場合は、この細切れの読書でも実現可能。ポケットやショルダーバッグに、いつでもさっと本が片手で取り出せるようにしておくのもポイントだ。

「どんな本を読むかも重要です。カッコいい本や理解するのにハードルが高い本は挫折しやすい。つぎの空き時間に続きを読むのが楽しみになるようなおもしろい本を選ぶのが、読書を続けるコツですね」

数冊ごとに別ジャンル

 コストを気にせずにおもしろい本に出合うために、図書館を利用するのがいいと伊東さんは言う。返却期限があるのも、デメリットではなくメリット。この期限が“いい意味”のプレッシャーになって、読書数を増やすのに役だってくれるという。

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