こうして年間100冊近い本が読めるようになったら、200冊を目標にするつぎのレベルへ。読む習慣がついたことを武器に、少しハードルの高いむずかしい本に手を出してみるのもいいという。ただしこのレベルになると、ちょっとした空き時間の読書だけでは、目標に近づくことができない。そこで……。

「平日の夜の1時間、読書のための時間を作ることにチャレンジしてみる。そんな夜の読書習慣のために早道となるのが、とにかく先が読みたい!と思える本を見つけることですね」

 通勤中の読書で「続きは次の朝まで待てない」と思えるようになればこちらのもの。帰宅後の読書習慣が作れる可能性が高くなる。さらにその習慣を強固にするのが、もうひとつのプレッシャー、読書日記を公開するなど、アウトプットの習慣だ。日記を書くのが苦痛になったら、読んだ本の目録だけでも付けておけばOK。モチベーションになって、年間200~300冊レベルにも到達しやすくなる。

 さらにそれ以上のレベルを目指すなら、「最後は週末の夜と休日も読書の時間に」。まるまる自分の読書時間にできる環境の人なら、年間300~400冊も夢じゃない。

 こうして読みも読んだり、4千冊以上。娯楽小説を始め、ビジネス書、実用書など、同じジャンルを読み続けるより、数冊ごとに別のジャンルの本を読むのも有効だ。

「読書数を増やしていくと、この話、どこかで読んだぞと思うことも増えてくる。向こうから内容をプッシュしてくるイメージのスマホと違って、本は自分で選んだという意識が強い。自分で選んだほうが、頭に入ってきます。そうすると未体験の事態にも慌てずに対処しやすい」

本の余白にメモする

 読書は名だたる偉人たちも育ててきた。例えばナポレオンは「細切れ読書派」。移動中の馬車の中でも本を読んで、つまらなかったり、読み終わると窓から投げ捨てていたそう。意外な愛読書は『若きウェルテルの悩み』。遠征などにも携帯して、何度も読み返したと伝えられる。

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