「一切、自民党は表に出ないで」
選挙戦の火ぶたが切られ、自民党やマスコミの情勢調査の数字が明らかになってくると、「自民党隠し」も功を奏したようで、小池氏が石丸氏、蓮舫氏に10ポイント以上の差をつけて優勢に戦い、「当確」が濃厚になってきた。すると、こんな話が出てきたのだという。
小池氏が特別顧問を務める都民ファーストの会幹部が言う。
「岸田首相が、小池氏の応援のためにマイクを握る意向を周辺に伝えた、という情報がありました」
都議補選の各選挙区で自民党の「劣勢」が伝えられていたし、内閣支持率も党勢も低迷するなか、岸田首相は勝ち馬である小池氏に近づき、選挙戦連敗のイメージを払拭しようと考えたようだ。
だが、それに反発したのが、小池氏陣営だった。
「小池氏は岸田首相が応援に出る意向という情報をキャッチすると、『絶対ダメ』『一切、自民党は表に出ないで』と強硬に言っていた。その話は自民党の都連にも伝わり、岸田首相に『控えてほしい』という話が届いたはずだ」(前出の都民ファースト幹部)
萩生田氏と近い小池氏だったが、萩生田氏との関係も徹底的に隠した。萩生田氏は裏金事件とともに、旧統一教会との関係も指摘され、イメージが悪い。
選挙戦中、蓮舫氏の応援に入った辻元清美参院議員は、
「小池さん、萩生田さんと並んで演説を」
と小池陣営を挑発していたし、7月1日に秋葉原駅前であった小池氏の街頭演説では、萩生田氏の写真をお面にした男性が、
「小池氏への投票は、裏金自民党萩生田への投票だ」
などと大声をあげていた。
だが、小池氏は挑発に乗ることはなかった。
萩生田氏のほうでは、「知事選で名誉挽回をと、あわよくば小池氏と2人で街頭に出るという下心があったようだ」と話すのは前出の自民党衆院議員。「しかし、岸田首相でもダメだといわれ、とても萩生田氏の出る幕はなかった」