坂本の“低迷”については多くの関係者が心配している。6月29日には高橋由伸氏、7月2日には原辰徳氏という元指揮官が相次いで二軍で調整している坂本のもとを訪れた。また、2013年に開催された第3回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で指揮官と選手という関係だった広島OBの山本浩二氏からも激励のコメントが届いた。

 早期の一軍復帰も期待される坂本だが、現在のコンディションでは厳しいという見方もある。本人も「正直、何をしたら良くなるのかっていうのは、正解が見つかってない」と試行錯誤をしている状態で、「復活」まで時間がかかりそうな予感を漂わせている。

「年齢を重ねるとシーズン単位で体が大きく変化する。退化、劣化と言えるかもしれない。その状態に合わせて筋力をつけ直し全盛期に少しでも近づける作業が必要になる。そうでなければ技術的な部分を思い切って変えるしかない」(巨人OB)

 二軍調整開始からの取り組みを見ていると、坂本は全盛期のようなコンディションに少しでも近づけるため、まずは体を鍛え直しているように見える。

「インコースの捌きや崩された状態でもミートする技術は天才的で、ハヤト本人も自信を持っているはず。今は技術と体の感覚が大きくズレていると感じているはず。体を磨き上げることで、そういった感覚のズレが小さくなれば結果にも繋がるはず」(巨人OB)

 また、巨人にとって欠かせない存在ということだけではなく、多くの野球ファンが気にしているのは史上2人目となる通算3000本安打という大記録を達成できるかということ。坂本は2020年シーズンに史上2番目の早さで2000本安打に到達。その後もやや成績を落としたシーズンもあったが、昨シーズンは開幕から大不振に陥ったものの、そこから立て直し打率.288(403打数116安打)、22本塁打、60打点の成績をマークした。当然、年齢的な衰えはあるが技術力でカバーできる姿を見せつけた。

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「復活」のカギとなりそうなのは…