小池氏はこれまで街頭演説を週末に行い、ウィークデーはもっぱら公務に専念してきた。こなした街頭演説は八丈島、奥多摩、北千住、蒲田、秋葉原、三軒茶屋、立川。終盤に近付くにつれて、小池知事を批判する人の姿が目立ってきたという。

 「初めて東京23区内で街宣した北千住(6月29日)からカウンター(反対)の人たちが現れ始めました。秋葉原(7月2日)から目に見えて増え始めたのです。小池さんの演説が、ヤジで聞こえないくらいでした」 (同)

 小池陣営の都議は街宣が荒れてきていることについてこう話す。 

「蓮舫さんの陣営が主張されていること(と同じこと)を言っている。演説現場の自由と安全の確保は私たちの責任としてやっている」
 

小池氏はギアが入る

小池百合子氏 (撮影/上田耕司)

 終盤に入り、小池氏はウィークデーも含めて毎日、街頭に立つようになった。

 「本人のギアが上がって来た。エンジンがかかってくると、外に出たくなるんですよね。公務後にあまり街頭に立つと倒れちゃうじゃないかと心配なので、ペースのコントロールに努めている。最終になったので、ここからは本人が満足の行くように最後まで走り切らせて上げたい」(前出の都議)

 翌日の7月4日には、東京・高田馬場のビッグボックス前で、蓮舫候補の街頭演説が開かれた。1000人以上の聴衆が聞き入った。蓮舫氏が所属していた立憲民主党(離党)の政治家が次々と壇上に上がる。とりわけ、小池氏が、公開討論会など蓮舫氏との直接対決の場を避け、劣勢が報じられる蓮舫氏に挽回の機会が巡ってこないことへのいら立ちが見て取れる。

「蓮舫さんも他の候補もテレビ討論はOKです。小池さんだけが断っている。都知事候補が福祉、年金、雇用にどんな考えを持っているのか、テレビ討論を拒否して、政策論争もやらない。そんな人に都知事を任せるわけにはいきません」(山井和則衆院議員)

 小池氏は告示日前日の6月19日、日本記者クラブ主催の共同記者会見に出席。告示後は6月24日、東京青年会議所(JC)主催の公開討論会に出席したが、それ以降、テレビ討論会などには出席していない。

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