リュックにぶら下げた札に主張を込める (撮影/上田耕司)
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 東京都知事選は最終盤に入り、各陣営の活動に熱が入る。街頭活動は週末に集中させていた小池百合子知事も、ここへきて連日、街頭に繰り出す。演説を見守る支持者の輪も広がりつつあるが、演説会場には都政への抗議を込めたプラカードを掲げる人の姿など不穏な動きもある。劣勢が伝わる蓮舫氏陣営からは、相手候補への批判が高まってきた。

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 7月3日、東京都世田谷区の東急・三軒茶屋駅前。小池氏の街頭演説会場では20人を超える警察官が警備にあたっていた。駅前広場で会場を囲うロープの内側に入ると、スタッフから手荷物検査を受け、金属探知機でボディチェックもされた。 

 「小池百合子から東京を守れ」というプラカードを持った男性がロープの中に入ろうとすると、スタッフが駆け寄り、男性をロープの外に押し返した。

「プラカードを持った人は入れません」

 警察官やスタッフが「立ち止まらないでください」と繰り返し呼びかける。プラカードを持った人たちはロープに沿う格好で周囲を歩き回っていた。その数20数人。 

 握りしめたそれぞれのプラカードにはこう書かれていた。

「さようなら小池百合子」「自民小池」「神宮外苑伐採小池」「公約達成ゼロ小池 おつかれちゃーん♡」
 

自民批判のプラカードも

 自民党・東京都連会長の萩生田光一氏を模した仮面を被った人の姿も。萩生田氏は一連の裏金問題で処分を受け、今も批判の渦中にある。仮面をつけた人の手には揶揄を込め、「勝利目前 I'll be back!!」のプラカード。

 「2期8年間お疲れさまでした」などと約10枚のプラカードを持った男性(36)は横浜から一人で駆け付けたという。

「ここに来ている人は皆、組織ではなく、個人レベルで集まっていますよ」

 よく見ると、それぞれの人が持つプラカードの文字がよく似ている。 

「フリーでこういう素材を提供している人が複数いるんです。ネットで欲しい素材をダウンロードして、コンビニでプリントしています」(前出の男性)

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上田耕司

上田耕司

福井県出身。大学を卒業後、ファッション業界で記者デビュー。20代後半から大手出版社の雑誌に転身。学年誌から週刊誌、飲食・旅行に至るまで幅広い分野の編集部を経験。その後、いくつかの出版社勤務を経て、現職。

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北千住の街宣から批判が強まる