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 些細なことでイライラしたり、空気が読めずにトンデモ発言をしたり、武勇伝を何度も繰り返したり。そうした言動で周囲に迷惑を掛ける中高年層は、たとえ過去に仕事で成功していても、若者たちから「老害」だと認定されてしまいます。ですが、もちろん本人たちは悪気があって老害っぽい言動をしているわけではありません。では、なぜ「やらかす」のでしょうか。医学博士・平松類氏の著書『「老害の人」にならないコツ』(アスコム)から抜粋して、その答えをお届けします。今回のテーマは「老害化の前兆」について。

その買い物パターンは老害の前兆かもしれない!?

 みなさんに質問をします。次の3つの高齢者の買い物パターンのうち、老害になっている可能性を最も高く示唆しているものはどれでしょうか。

(1)チラシを逐一チェックして、お買い得な店を選ぶようにしている(そのつど利用する店を変えている)

(2)家から離れたところにある、品揃えのいい大型スーパーやショッピングモールにクルマで買いに行っている

(3)家の近所の同じ店を毎回利用している

 いかがでしょうか。「これだ!」とすぐにわかりましたか。

 答えを発表する前に、選択肢をひとつずつ掘り下げて考えていきましょう。

(1)のパターンは、細かいことを気にしている印象を受けます。いちいち口出ししてくる老害になりそうなタイプかもしれません。しかしその一方、しっかり頭を使っているので、脳の老化は抑えられているかもしれないとも考えられます。

(2)のパターンは、交通事故を起こしやすい高齢ドライバーにありがちな行動にも見受けられます。自己主張の強すぎる老害という可能性も……。ただし、積極的に遠出をするなど、アクティブに行動するのは悪いことではありません。

(3)のパターンは、新しいことにチャレンジする様子が感じられません。自分をドラスティックに変える必要はないものの、現状維持にこだわることが老害化を促す要因になるかもしれません。とはいえ、日々たんたんと買い物をこなしている印象で、誰かに嫌がられるような行動をしているとは思えません。

 このように、(1)~(3)の選択肢は一長一短です。どれを答えに選んでも、間違っていない気もするでしょう。

 ここでポイントとなるのが、質問文にある「老害になっている可能性を最も高く示唆しているもの」です。これを重視すると、結論はひとつに絞られます。

 では、答えを発表しましょう。

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