正解は(3)です。
(3)で問題視されるのは、買い物中に店員さんにクレームをつけるなどの老害的行動をとっているか否かではありません。
家の近所の同じ店しか利用していないという行動パターンが、加齢による身体変化が著しくなっているかもしれない(すなわち老害化しているかもしれない)ということを示唆している――これが大きな問題なのです。
老害化対策の第一歩は自身の変化に「気づく」こと
高齢者の「やる気」が出なくなる要因は次の通り。「人間(とくに高齢者)は変化を好まない」「社会的プレッシャーが減る」「得られるメリットが少ない」ためです。
高齢者は変化を好まず、子どものためや自分たちの将来のために節約をする必要性が薄れるから、少しでも安い店にこだわらなくても問題なく、だから近所の同じ店を利用する――(3)のパターンは、すべての理由に合致します。
なお、高齢者は仮にやる気が出たとしても、それを行動に移すのも難しくなります。その理由は「体がスピーディーに動かせなくなる」「時間の進み方が遅く感じるようになる」「体力(持久力)が低下し、病気になりやすくなる」からです。
歩くのが遅くなったり、体力が低下したりしたら遠くの店に行くのは大変であり、なるべく時間がかからないことを求めるので、近所の同じ店を利用する――(3)のパターンは、こちらについてもすべての理由に合致します。
そうなのです。(3)のパターンで買い物するようになったら、老害になる“地固め”が完璧にできているといっても過言ではないのです。
みなさんはいかがでしょうか。自ら老害になっていることには気づきにくいですし、「老いたな」と自覚することもあまりないでしょう。
でも、このような角度から分析していくと、意外にも老害への道を進んでしまっている自分に気づくということもあるのです。
老害化対策の第一歩は自身の加齢変化に「気づくこと」と、それを「受け入れること」です。
もっといえば、気づくことができていなくても、ほとんどの高齢者にその下地がありますので、自分がすでに老害になっていることを前提に考えたほうがいいということになります。
何度もいうように、老害は決して特別なものでも、忌み嫌うべきものでもありません。