画像はイメージ(GettyImages)

使う側は「開き直っている」

 高橋さんはこう指摘する。

「日本は対策が後手に回ってしまっています。明らかに手を出さない方が良いのですが、使う側も副作用がなんだと開き直っているのが実態。自己責任で済ますのではなく、中高生のうちに教育の場でリスクを教える必要がある。その段階にきていると思います」

 とあるアナボリックステロイドに関するネットの掲示板で、使用者の思しき男性がこんな胸中を吐露していた。

「これだけいろいろがんばっているのに、なんで自分はあんな(ムキムキの)体になれないんだろうと思ってしまいます」

 大胸筋がおっぱいになっても、同じことを思えるかどうか。薬に頼って手に入れた「ムキムキ」の先に、大きな代償が伴う可能性は知っておく必要がある。

(國府田英之)

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國府田英之

國府田英之

1976年生まれ。全国紙の記者を経て2010年からフリーランスに。週刊誌記者やポータルサイトのニュースデスクなどを転々とする。家族の介護で離職し、しばらく無職で過ごしたのち20年秋からAERAdot.記者に。テーマは「社会」。どんなできごとも社会です。

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