
使う側は「開き直っている」
高橋さんはこう指摘する。
「日本は対策が後手に回ってしまっています。明らかに手を出さない方が良いのですが、使う側も副作用がなんだと開き直っているのが実態。自己責任で済ますのではなく、中高生のうちに教育の場でリスクを教える必要がある。その段階にきていると思います」
とあるアナボリックステロイドに関するネットの掲示板で、使用者の思しき男性がこんな胸中を吐露していた。
「これだけいろいろがんばっているのに、なんで自分はあんな(ムキムキの)体になれないんだろうと思ってしまいます」
大胸筋がおっぱいになっても、同じことを思えるかどうか。薬に頼って手に入れた「ムキムキ」の先に、大きな代償が伴う可能性は知っておく必要がある。
(國府田英之)