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高校生や大学生にまで広がっている
アナボリックステロイドは、国内で治療で使う場合は処方箋が必要だが、海外からであれば個人で輸入できる。
高橋さんがドーピングの実態を調べ始めた1990年代初めには、すでにボディービルダーやプロレスラーを中心にアナボリックステロイドが出回っていたことが確認できたという。
他にも、アスリートがスポーツジムに通ううちに、すでにアナボリックステロイドを使用している「キン肉マン」たちと出会ったことで刺激を受け、彼らから指南を受けて手を出すようになったケースも散見されたという。
「今ではネットで購入できるようになり、大学生や高校生にまで広がっています。ちょっと昔ですが、ある高校の部活動の監督から、生徒が筋肉増強剤に手を出していて、やめようとしないと相談を受けたことがありました」(高橋さん)
アナボリックステロイドには複数の種類があるが、共通するのはテストステロンを含めた体全体の男性ホルモンの血中濃度を高めることにより、筋肉の増強を促す作用があること。とはいえ、効果には個人差があるようだ。
「少し使用しただけでムキムキになれる人もいれば、効果が出ない人もいます。同じように、副作用の出方についても個人差があります」(高橋さん)
そもそも、筋肉増強剤とは人間の生理的範囲を超えて、無理やり筋肉を強くする薬のこと。想像を超えた副作用は当然あると考えるべきだ。アナボリックステロイドは男性ホルモンを女性ホルモンに変換させる作用もあり、過剰な投与によりホルモンバランスが崩れることがある。
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