近年、高止まりが続いている大学受験生の医学部人気。そのような中で、各大学の医師国家試験の合格率は実際どれほどなのだろうか。「受験偏差値だけに頼らない大学評価」をコンセプトに、編集部の調査・収集データに基づき作成した『大学ランキング2025』(朝日新聞出版)では「資格、採用試験ランキング」として、各大学の医師、獣医師、歯科医師、薬剤師の国家試験合格率などを掲載している。今回、その一部を紹介する。
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順天堂大が医師国家試験で全員合格。新卒だけなら5大学が合格率100%
2023年の医師国家試験の合格率は91.6%。難関資格にも関わらず合格率が高いのは、受験生の医学部人気が高止まり状態で、そもそもの資格受験者層が大学受験の段階で一定程度選抜済みである点も大きい。
こうした状況下でも突出した「合格率100%」という結果を出したのが順天堂大。6年間の学費総額は2080万円で、私立大で2番目の低水準であることでも知られる大学だ。17年に医学部を開設し、今回初めての卒業生を出した国際医療福祉大は、合格率で2位にランクイン。学費総額は1857万円で、私立大で最も安い。学費負担の少なさもあって人気の両大学が、国家試験合格率でも上位に入り、教育力の高さを示した形だ。なお、徳島大、福島県立医科大、愛知医科大、久留米大は、新卒のみの合格率では100%を記録している。
獣医師合格率でトップの山口大は、4位の鹿児島大と共同教育を行う大学。学生は遠隔講義を活用しながら2大学分の授業を受講できる。
歯科医師合格率1位の東京歯科大は、現存する最古の歯科医学教育機関であり、特徴の異なる三つの付属病院で多様な臨床教育を行う大学だ。
薬剤師合格率のトップは名城大。講義で学んだ知識や理論を生きたものにするために、充実した実験設備と豊富な実習科目を用意して教育を行っている。
医師国家試験の合格率ランキング
医師国家試験の合格率ランキングは次の通り。
1位:順天堂大/100.0 %
2位:国際医療福祉大/99.2 %
自治医科大/99.2 %
4位:東北医科薬科大/98.9 %
5位:産業医科大/98.0 %