今季が来日9年目の中日・ビシエド
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 歴史的な投高打低と言われる今年のプロ野球。この傾向はここ数年続いており、どの球団も打てる選手の不足に悩んでいるケースが多い。そして特に目立つのが外国人野手の不振だ。かつてのように来日1年目から中軸として十分な活躍を見せる選手は極めて少なく、2年目以降も契約を勝ち取るのはもはやレアケースと言えるだろう。ではそんな中で現役の外国人野手で2年以上日本でプレーしている選手の現状はどうなっているのだろうか(成績は6月23日終了時点)。

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 まず現在最も長く日本でプレーしている外国人野手は今年来日9年目となるビシエド(中日)だ。1年目に22本塁打、68打点をマークすると、3年目の2018年には打率.348、178安打で首位打者と最多安打のタイトルも獲得している。広い本拠地でプレーしながら7年連続二桁ホームランを放っており、昨年までの通算打率.288というのは立派な数字と言えるだろう。しかし昨年は初めてホームランが二桁に届かず(6本塁打)、打率も.244と低迷。今年もここまでわずか15試合の出場で打率.209、1本塁打という成績に終わっている。国内FA権を取得したことで日本人扱いとなっているのはプラスだが、3年契約が今年までとなっており、このまま低迷が続くようであれば、来季の残留は厳しくなりそうだ。

 ビシエドに次ぐ存在がソト(ロッテ)だ。2018年にDeNAに入団すると、いきなり2年連続でホームラン王を獲得。2019年は打点王にも輝いている。その後は怪我もあって成績を落とし、昨年限りでDeNAを退団となったが、6年で161本塁打、442打点を記録した長打力が評価されて今年からロッテに加入。今年もここまでチームトップタイとなる7本塁打を放つなど、貴重な得点源として活躍を見せている。三振が多く、淡白な打席も多いが、その長打力はまだまだ健在であり、この調子を最後まで維持できれば来季も残留する可能性は高そうだ。またソトと同じく巨人からロッテに移籍したポランコも昨年はホームラン王を獲得し、今年も打率は低いもののソトと同じく7本塁打を放っている。こちらも近年の外国人野手の中では十分成功の部類に入るだろう。

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日本で“育成”に成功した助っ人は?