しかし、過去にFinancial Timesが報じた調査では、男性の方が投資を好むことで、頻繁に投資売買をする傾向があり、手数料分だけ投資リターンが減りやすい傾向が報告されています。一方の女性は、長く寝かせる投資を好むこともあり、手数料が浮くことで長期的なリターンは男性よりも優位な傾向があるとも、この調査では報告しています。(もちろん、女性だから優秀、男性だから優秀ということを書いているのではなく、癖の傾向を示しているだけです。性別と投資リターンの因果関係は様々な変数が関わるので、一概に傾向を捉えることは難しいです)

 ここから得られる示唆は、やはり手数料は重要ということです。手数料無料の証券会社も増えてきたものの、他にコストは発生していないのかなどを吟味することも重要でしょう。

今回のポイントまとめ

 2024年の夏のボーナスは、経済回復とともに増加傾向にあり、投資に回す人々も増加しています。特に、女性や若年層の投資参加が進んでおり、投資による資産形成が注目されています。個人投資家が成功するためには、リスク分散や長期的な視点、手数料の有無に関する情報収集が重要です。これらのポイントを押さえた上で、私も無理な投資はせず、堅実な投資ができるよう励みたいです。

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崔 真淑

崔 真淑

エコノミスト。2008年に神戸大学経済学部(計量経済学専攻)を卒業。16年に一橋大学大学院にてMBA in Financeを取得。18年より同大学の博士後期課程に在籍。研究分野はコーポレートファイナンス。新卒後に、「経済のスペシャリストの世界に触れたい」と、大和証券SMBC金融証券研究所(現:大和証券)に入社。アナリストとして資本市場分析に携わる。当時最年少の女性アナリストとして、NHKなどの主要メディアで経済解説者に抜擢される。債券トレーダーを経験したのち、日本の経済リテラシー向上に貢献したいとの思いから2012年に独立。経済学を軸に、経済ニュース解説、経済・資本市場分析を得意とするエコノミスト・コンサルタントとして活動。

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