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 夏のボーナスに関するニュースが増えてきました。2024年の夏のボーナスは、民間企業で支給総額が前年比4.4%増加し、16.7兆円に達する見込みと試算されています。これは、一部の業績好調な企業が後押ししていることが影響しています。具体的には、製造業では前年比3.3%、非製造業では4.8%の増加が見込まれると試算されています。もちろん、景気のいい企業ばかりではなく、円安や物価高に悩む内需企業も多いはずです。しかし、平均的にはボーナスが上昇する傾向が期待できる状況ではあるようです。

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 では、期待できそうな夏のボーナスを何に使うかといえば、1位が貯蓄・投資という調査結果もあり、先が見えない環境の中で消費にパァッと使おうという雰囲気ではないようです。貯蓄だけでなく、新NISAが始まったのもあり、そのお金を更に増やすためにリスクをとってでも投資に回そうという方も多いと推測されます。今回は個人投資家の方々に、知ってほしい投資の税制、そして個人投資家あるあるの癖について紹介していきます。

新NISAでアメリカ株を投資する前に押さえておきたいこと

 さあ投資をするぞ!となると、今話題の海外株や米国株が組み込まれた投資信託や、株価インデックスS&P500に連動する投資信託にお金を振り分ける方も少なくないと思います。理由は、アメリカ株は日本株と違い、どん底を経験しながらも順調に株価を伸ばしていること、そしてアクティブ投資(特定テーマや銘柄群に投資をすること)はインデックス投資に投資リターンで大多数が負けっぱなしというデータがあることです。

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崔 真淑

崔 真淑

エコノミスト。2008年に神戸大学経済学部(計量経済学専攻)を卒業。16年に一橋大学大学院にてMBA in Financeを取得。18年より同大学の博士後期課程に在籍。研究分野はコーポレートファイナンス。新卒後に、「経済のスペシャリストの世界に触れたい」と、大和証券SMBC金融証券研究所(現:大和証券)に入社。アナリストとして資本市場分析に携わる。当時最年少の女性アナリストとして、NHKなどの主要メディアで経済解説者に抜擢される。債券トレーダーを経験したのち、日本の経済リテラシー向上に貢献したいとの思いから2012年に独立。経済学を軸に、経済ニュース解説、経済・資本市場分析を得意とするエコノミスト・コンサルタントとして活動。

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