三井の言葉に、福井県交流文化部新幹線開業課(当時)の白崎裕典(46)はこう目を細める。

「イメージ通りというか、想像以上というか。三井さんにお願いしてよかった。レゴ ブロックは多くの人が一度は触ったことがあるおもちゃですし、3世代同居が多い福井では孫へのプレゼントとしてもよく選ばれています。そのレゴで、県民の方も観光客にも喜ばれる企画として依頼しました。本当に、いいものをつくっていただきました」

設計図はラフスケッチ程度 イメージを膨らませていく

 三井は、レゴ社がレゴ ブロックを使って対外的に仕事することを公式に認めた日本でただ一人の「レゴ認定プロビルダー」だ。渋谷の街並みのジオラマ、横浜のベイブリッジ、通天閣などの建物、企業のロゴやキャラクター、コンペ受賞者に贈るオリジナルのトロフィー、果ては人体模型まで三井の元には引きも切らずに依頼が舞い込む。

 制作現場を見せてもらおうと、三井のスタジオを訪ねた。東京都世田谷区の住宅街にあるマンション地下フロア。入り口のドアを引くと、天井近くまで何層にも積み上げられたプラスチックコンテナが目に飛び込んできた。優に100平方メートルはあろうかというフロアは、パソコンデスクや作業スペースを除いてコンテナで埋め尽くされている。その数、ざっと650ケース。それぞれにレゴ ブロックがぎっしり詰まっていた。

「実は、この上のワンフロアと、別の一室も倉庫に使っています。どれくらいあるのかな。500万ピースくらいでしょうか」

 三井がその日に使うブロックをコンテナから取り出し、作業デスクに積み重ね始めた。20袋、30袋……。幅1.5メートル、奥行き1メートルほどの大きなデスクはわずかなスペースを残してあっという間にブロックで埋まり、足元にも積まれていく。メイキング用のカメラをセットし、頭に大きなヘッドホンを付けた三井は無造作にブロックを広げると、すぐに組み出した。

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