西武の本拠地・西武球場(現ベルーナドーム)の第1号は、西武・立花義家が79年4月14日の日本ハム戦で、1回裏に高橋直樹から記録。これが入団3年目のプロ1号でもあり、試合後に記念球を受け取った立花は「一生の思い出としてしまっておきます」とうれしそうだった。

 97年にオープンした中日の本拠地・ナゴヤドーム(現バンテリンドーム)も、4月4日の開幕戦、横浜戦で、中日・立浪和義が初回先頭打者で盛田幸希から第1号を記録。1回表に2点を先行され、「ポンと抑えられると、このまま行っちゃうかもしれない。(1番打者として)ムードを変えなければ」という必死の気持ちが生んだメモリアル弾だった。

 同じく97年に近鉄の新本拠地としてオープンした大阪ドーム(現京セラドーム大阪)も、4月8日の開幕戦、ロッテ戦で、近鉄・鈴木貴久が5回に榎康弘から第1号を放っている。鈴木にとっては、前年に続いて通算4本目の開幕戦アーチで、賞金50万円については、「みんな(チーム全員)と焼き肉でも食いにいきますかね」と太っ腹なところを見せていた。

 フランチャイズのチームではなく、冒頭で紹介した楽天・伊藤のように対戦チームの選手が第1号を放った例も多い。

 88年にオープンした巨人の本拠地・東京ドームでは、4月8日の開幕戦で、ヤクルト・デシンセイが2回の来日初打席で桑田真澄から記録。「本番ということで気合が入った。スライダーの次は内角に来ると思った。タイミング的にピッタリだった」と語ったデシンセイは、翌9日にも2日連続の東京ドーム通算3号(第2号は巨人・クロマティ)を放っている。

 09年オープンの広島の本拠地・マツダスタジアムの第1号は、4月10日の本拠地開幕戦で、中日・和田一浩が2回にルイスから記録。「打ったのは直球。自分の好きな球が来ました。第1号は光栄です」と会心の先制ソロに気を良くしていた。

 93年に日本初の屋根開閉式ドーム球場としてオープンしたダイエー(現ソフトバンク)の本拠地・福岡ドーム(現みずほPayPayドーム)も、本拠地開幕2戦目の4月18日の近鉄戦で、近鉄・ブライアントが若田部健一から第1号を記録。本塁打なら「やっぱりこの人」という気もするが、本人は「ノー。風だよ、風」と屋根を閉めなければならないほどの強風に助けられたことを強調した。

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“大リーグ並みの広さを持つ球場”横浜スタジアムの第1号