昨年オープンし、日本ハムの新本拠地となったエスコンフィールドでは、同年3月30日の開幕戦で、楽天・伊藤裕季也が公式戦第1号を放っている。その他の球場では、誰が記念すべき第1号本塁打を記録したか、振り返ってみよう。
【写真】本拠地移転から25年以上経つが、今でもファンに愛されている球場がこちら
まずエスコンフィールド以前に2004年から日本ハムの本拠地になった札幌ドームでは、完成直後の01年6月26日に行われた巨人対中日で、1回表に中日の先頭打者・福留孝介がメイの初球、141キロ直球を右中間席に運び、第1号を記録した。「狙っていました。(直球以外の)ほかの球種が来たら、“ごめんなさい”ぐらいの気持ちで、思い切り振り抜きました」(福留)。この積極的な気持ちが、3年連続の初球先頭打者アーチと札幌ドーム第1号を生んだ。
球場側は「第1球」と「第1号」の記念球を保管・展示する予定だったが、まさかの同一球となり、福留のサイン付きで、場内のレストランに展示されることになった。また、打球の落下地点の座席の裏側に「第1号ホームラン記念 中日ドラゴンズ 福留選手」と記された記念プレートが設置された。
92年からロッテの本拠地になった千葉マリンスタジアム(現ZOZOマリンスタジアム)も、福留同様、セ・リーグの選手が第1号の栄誉を手にをしている。
初のプロ野球公式戦、ヤクルト対中日が行われた91年5月25日、ヤクルト・荒井幸雄が5回1死三塁、小松辰雄の初球を右翼線に打ち上げた。ライアルが強風で捕球に失敗し、さらに打球を見失ったことから、荒井は激走、また激走で最後はヘッドスライディングでホームイン。球場第1号がランニングホームランという珍事に、荒井は「こんなしんどいホームランは初めて」と疲れ切った表情だった。
ちなみに阪神の本拠地・甲子園球場も、36年5月4日のセネタース戦で、タイガース・藤井勇がランニングホームランで第1号を記録。プロ野球誕生から12試合目とあって、NPB公式戦第1号でもあった。