そんな状態では、意欲のある女性たちが管理職を降りたくなるのも当然だ。

 管理職になった女性たちの退職を防ぐには、どうしたらいいのか。

女性同士の連携が重要

 大沢名誉教授によると、いま重視されているのは「女性同士の連携」だ。人数が増えると多様な意見が言いやすくなるので、数値目標を達成するまではとにかく女性管理職の数を増やしていく必要がある。つまり、辞めない環境づくりが何より大切なのだ。

「組織がダメなら、辞めるという選択肢はもちろんあっていいのです。でも、女性が辞めざるをえない状況を変えるためには、女性が意見を言いやすい職場にしていかなくてはいけない。そして、女性管理職が辞めた場合には本人にヒアリングをして退職理由を明らかにしたほうがいい。そして、職場の雰囲気や男性管理職の意識が変わらないことがいかに会社の競争力を下げているのか議論をすべきです」(大沢名誉教授)

(フリーランス記者・山本奈朱香)

AERA 2024年6月10日号より抜粋

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