大谷翔平(写真:アフロ)
この記事の写真をすべて見る

 大谷翔平、ザッカーバーグ、黒柳徹子……。歴史に残る彼らの活躍を支えているのが、独自の睡眠戦略だ。自分を変える「眠り」を身につけよう。AERA 2024年6月10日号より。

【イラストを見る】大谷翔平の長眠戦略はこちら

フォトギャラリーで全ての写真を見る

*  *  *

 ショートスリーパーがもてはやされたり、大谷翔平選手や藤井聡太八冠の「10時間睡眠」が注目されたり、早起き・朝活を勧められたり。一体いつ、何時間寝るのが正解なの?と悩んでいる人は多いはず。

「正解はありません。なぜなら、一人一人が置かれた環境や重視したいパフォーマンス、なりたい自分の姿によって、必要な睡眠は全く違うからです」

 そう話すのは、スリープコーチの角谷リョウさんだ。角谷さんは経営者やスポーツ選手らへの個人コーチを含め、14万人以上の睡眠改善をサポートしてきた。その経験から生み出したのが、目的に合わせ、スーパースターをモデルにした「睡眠戦略」だという。

 詳細は後述するが、どの戦略にもすごい効果と、それに伴う副作用がある。たとえばビジネスパーソンに人気の「短眠戦略」は仕事量をこなすには最適だが、独創性や協調性が犠牲になる。成功者の多くが採り入れる「快眠戦略」は高い幸福感が得られる半面、お金への執着や猜疑心が薄れてしまい、だまされやすくなるといった具合だ。

 たとえば「質より量」が求められる時期。独創的なビジョンが必要な時期。子どもを授かりたい時期。仕事と、副業子育てを両立させたい時期──。ビジネスや人生の様々な局面に応じて睡眠戦略を使い分けることが、最強の武器になる。

 それでは、四つの戦略を詳しく見ていこう。どれも効果は折り紙付きだ。

ザッカーバーグの短眠戦略

【メリット】仕事に全集中! 疲れを感じずバリバリ働ける

【デメリット】独創性・協調性は置いてけぼりで攻撃的になりがち

 一つ目は「短眠戦略」。フェイスブック(現Meta)を創業し世界最大のSNSへと成長させた天才マーク・ザッカーバーグ氏らの若き日を支えた眠りだ。

次のページ